Gonzo
Bboyingはアートです。なんでチャンピオンに拘るの?って思いますね。
Rivers crew / Bonita Applebum Bar
人々が生きていく上で【自分に厳しく】という生き方は、なかなか出来ない事ではないだろうか。自分の意志に正直に、そして真正面から己と向き合うことで自分の世界を確立する男が韓国にいる。Bboy GONZOだ。
目の前の勝利を追うのではなく、先を見据え、本当の意味でのチャンピオンを目指すかのようなライフスタイル。
甘いマスクからこぼれる彼の言葉は、私達に大切な何かを気づかせてくれた。
Q:自己紹介をお願いします。
A:初めまして。私はゴンジョですね。32歳です。韓国のソウル出身で、レペゼンRivers crewです。ヨロシクオネガイシマス(笑)
Gonzoっていうのは、根性って意味です。よろしくお願いします。
Q:今どんな生活をしてるの?
A:今までは多くの時間をダンスに費やしてきました。でも今は新しい事を始めています。
ここ(Bonita Applebum)ですね。ここ韓国ソウル市のホンデでBarをオープンしました。
韓国人の生活は本当にハードで、みんな苦労しています。
僕もそうでした。結構苦労していましたね。
でもそんな生活はずっとはしたくなかったんですよね。
正直なところ、僕はしっかりとお金を稼ぎたかったんですよね。と同時に、良い音楽と共にBboyingやダンスを続けていたいって思っていました。
たくさん働いて、自分の人生を楽しみたかったんですよね。
Q:なぜBonita Applebumを始めたの?
A:まず、Bonita Applebumを始める前はIT系の会社でサラリーマンをしてました。毎日おじさん達の言うことを聞かなきゃいけないし、毎日酒に付き合わなきゃいけないし、この会社に将来性が無いなって思ってました。
それがとてもストレスだったんですよ。これは僕のスタイルじゃないって。
それでその会社を辞めて、カフェで働いたり、ダンスのレッスンやショーケース、パフォーマンスをやってましたね。
Bonita Applebumを始めた理由は、1つはMake moneyの為です。
もう1つは、僕は良いお酒と良い音楽とバイブスで人に幸せを与えれると思っていたからですね。
それと、Bonita Applebumと一緒に友達をケアできると思ってたからです。
Bonitaはスペイン語で「可愛い(女性)」とか「綺麗な(女性)」の意味で、Applebumは「可愛いおしり」って意味です。だからBonita Applebumで「綺麗な女性の可愛いお尻」ですね(笑)
Q:いつ、なぜダンスを始めたの?
A:ダンスは1997に始めました。10歳の頃ですね。始めた理由は、、、分かりません(笑)
最初はBREAK DANCEじゃなくて、Hip-hopやアクロバット、あとPopingとかやっていました。
ある日、テレビでBREAK DANCEを見たんですけど、「うわー、すげー」って思いました。それとHip-hopっていうコミックですね。当時の韓国ではとても有名な漫画だったんですけど、それを見たのもダンスを始めたきっかけです。
Q:なぜRiversに入るまで1人でやってきたの?
A:いや、それは違います。実はいくつかのCrewに所属していました。最初のCrewはGeneration crewで、13歳の時ですね。
その次に所属していたのがMaximum Crewです。
僕が仲良かった兄弟達がMaximum crewにいたので、僕もそこに入りました。
それから7年前にMaximum crewを抜けて、5年くらいかな、どこのチームにも属さずやってたのは。今はRivers crewですね。
Q:なぜRivers crewに入ったの?
A:No.1だからです。僕のマインドの中ではNo.1のCrewです。
僕が14歳くらいの時にたくさんのTV番組でBboyingが取り上げられていたんですが、Rivers crewが出演してるのを見たんですね。だからRivers crewはとても有名でした。僕自身もクールだと思っていたし、かっこいいしドープだなって。で、2年前にRivers crewに入りました。
Q:ダンスのスタイルについて教えて
A:自分のスタイルは~、、、分かりません(笑) 「My style is my style」って感じです。
僕はこれまで、考え方やライフスタイルを常に変化させて生きてきました。変化、変化、変化を繰り返して。あとHip-hopについて学ぶ事をやめませんでしたね。
昔の韓国は、カルチャーも無かったし、お金も無かったし、スタジオもほとんど無かったです。たぶん日本も同じだったと思うんですけど。それで僕の仲間達はダンスを辞めていきましたね。貧しかったし。でも僕はいつも本当の自分でいたかったし、このライフスタイルを続けたかったんです。だから「Keep my life」が僕のスタイルですかね。
Q:韓国と日本のBboyシーンについて思うことは?
A:ん~、日本のBboyシーンは韓国のそれよりもちょっと先輩だと思います。
でも両者のBboyシーンには大きな違いがあると思いますね。
韓国は、短い期間で競争(大会)として強いBboyシーンを築きました。
だから、カルチャーやスクール的な部分では、間違った部分が多々あると思いますね。
未だに多くの韓国Bboy達が、競争こそがBboyingへのアプローチの方法だと考えていますね。
だから彼らはBreakしかしていないです。何も感じることが出来ていないです。
それが日本と韓国のBboyシーンの大きな違いだと思います。
もし競争(大会)の為に投資をする人がいなかったら、次第にそれは消えていきますね。
最近では、学んだり教えたりすることがとても簡単になりました。
でも、正しい学び方や教え方を見つける事はとても難しいです。
ネットやオフィス等では、偽物の知識が多く存在しています。
僕らはみんな、自分自身について深く考えないといけないし、文化的にも深く考える必要があると僕は思います。
どちらかだけを見ることはしないで下さい。
学び続けて、Digし続けて、そして自分を信じることを止めないで下さい。
僕たちには正しい先生が必要です。そして、僕達もまた次の誰かの為の正しい先生に成ることができます。
Q:若い世代に伝えたいことは?
A:ん~若い世代に伝えたいこと、、、特にないですね。もし言わなきゃいけないとしたら、前進し続ける事を忘れず、リアルでいる事を忘れないで下さい。
あなたはBboyingを愛してると言えるし、それは簡単です。でも自分を信じてあげる事は大変です。
自分には嘘をつかないで下さい。
あと、これ(Bboying)はライフスタイルの一部です。若い世代の子らの多くは、みんな「勝ちたい」とか「優勝したい。チャンピオンになりたい」とか言います。
チャンピオンに成る事よりも、大事な事はたくさんあります。僕を信じて下さい。
そんなの(チャンピオンに成る事)なんてほんの一部です。大きく捉えないで下さい。これはスポーツじゃないから。
Bboyingはアートです。なんでチャンピオンに拘るの?って思いますね。
Fameはずっとは続きません。ほんの一瞬です。
ただBboyingを愛し続けて下さい。例えば、お父さんになってもBboyingを続けている様な人が、本当のチャンピオンだと僕は思います。
もう一度、考えてみて下さい。それは簡単な事じゃないんです。イベントで優勝する事よりも本当に難しい事だから。
Q:趣味は何ですか?
A:ハイキングや、時々ボクシングもします。あとはワークアウトや、音楽を聴く事ですかね。シンプルです。
Q:いつも悲しそうに見えるけど、何をしている時が一番楽しい?
A:悲しそうですか?(笑) ん~、時々怒っていたり、考え事をしているからかな?(笑)
結構マインドコントロールしているんですけどね(笑)
実は8カ月前に、大きな事故にあったんですよ。車にひかれてしまって。
ちょっと精神が崩壊しちゃったんですよね。
膝も壊れたし、歯も折れたし。もちろんダンスも出来なくなってしまって。
生きてる心地がしないっていうか。
幸いにも、今は元気になりましたけどね。ありがとう、神様って感じです。
毎日、自分に言い聞かせてマインドコントロールしていましたね。
僕の中で天使と悪魔がいて、悪魔は「もう諦めなよ」って。でも僕は諦めなかったから、天使が勝って、今の健康な自分があるって思ってますね。そんな感じで、いつもマインドコントロールしてます。
楽しい時は、、、おいしいご飯を食べている時とか、旅行している時かな。現地で友達に会ったり。
あとは、若い世代のBboyとかに歴史とか知識、ダンスを教えている時ですかね。
まぁ健康で何も悩み事や問題がない時がハッピーです。
Q:夢は何ですか?
A:夢はたくさんあります。
1つは身体、健康の維持。
1つは自分と自分の家族を幸せにする事。「Love and Money」ですね。
実はBonita Applebumは20歳の時に抱いていた夢なので、1つは夢を叶えれていますね。
なので、ネクストレベルというか、Bonita Applebumを継続していく事も次の目標ですね。
あと、将来の夢は海沿いに家を建てて、近くにBarも出来たらいいですね。それが今の夢かな。
あとは、ずっとBboyingが続けていけたら最高です。
ありがとうございました。
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